攻撃から守備への切り替え ― 即時奪回・後退・整理(orden)

サッカー指導

はじめに:なぜ「切り替えの局面」の分析が重要か?

サッカーのプレー・試合を分析する上で大事なことが4+1の局面を理解することです。

今回は、この中の攻撃から守備への切り替えについて話していきます。

🔁 攻撃から守備への切り替え ― 即時奪回・後退・整理

🎯 「切り替えの局面」における3つの行動パターン

ボールを失った瞬間、守備へと移行する際にチームが取る代表的なアクションは以下の3つです:

  • 即時奪回(Presión tras pérdida【プレシオン・トラス・ペルディダ】)
  • 後退(Repliegue【レプリエグェ】)
  • 整理(Orden【オールデン】)

これらは固定されたものではなく、状況に応じて連続的に発生するものであり、それぞれの意味と機能を理解することが、切り替え局面を分析するうえで重要になります。

🔴 即時奪回(Presión tras pérdida)とは?

ボールを失った瞬間に、すぐにボール周辺の選手たちが連動してプレッシャーをかけ、再びボールを奪い返す考え方。

🔵 後退(Repliegue)とは?

ボールを失った直後にすぐ奪い返すのではなく、まず自陣に向けてラインを引き、相手の前進を制限するためのスペース管理を優先する考え方です。

リスクの高いプレッシャーをかけること(=本来守るべきスペースを離れること)を避け、相手にスペースを与えないことを優先する。

⚙️ 整理(Orden)とは?

整理(orden)とは、ボールを失った後に即時奪回や後退といった初動を経て、選手たちが本来のポジションに戻り、守備を再構築するプロセスです。

これは、「presión tras pérdida(即時奪回)」や「repliegue(後退)」に続く次のフェーズであり、守備組織を整えることを目的とします。

  • repliegue が「スペースを埋める“移動”」に重点を置くのに対し、
  • orden は「ポジションの“整理”」と「役割の再明確化」に重点を置きます。

この整理(orden)が完了した時点が、
攻撃から守備への切り替え局面の終了、
つまり「守備の局面の開始」とする1つの明確な基準になります。

順序イメージ:

守備への移行は、状況に応じて以下のような順序で進行します:

✅ パターン1:即時奪回 → 後退 → 整理(orden)
最初にプレッシャーをかけてボール奪取を試み、かわされた場合には素早く自陣方向へ戻り、最終的に守備の形を整える。

➡️【即時奪回】→(かわされたら)→【後退】→【整理(orden)】


✅ パターン2:後退 → 整理(orden)
最初からリスクを取らず、スペースを埋めてブロックを作ることを優先。その後、本来のポジションに整理。

➡️【後退】→【整理(orden)】

📊 チーム分析における視点:即時奪回型か?後退型か?

切り替えの局面において、そのチームが「即時奪回型」か「後退型」かを見極めるには、以下のような観察ポイントが重要です。

1. ボールを失った瞬間の“初動”の傾向

  • 周囲の選手が即座に前方へプレッシャーをかけるのか?
  • それとも素早く自陣方向へ移動しスペースを消すのか?

2. チームの戦術的意思統一

  • 即時奪回が個人任せのアクションになっていないか?
  • チームとして組織的に連動しているか?
  • 戦術として、即時奪回または後退のどちらを優先するか明確に設計されているか?
  • また、その設計がゾーンや状況(位置・相手の配置など)に応じて変化するか?

3. 「整理」までのプロセスの速さと整合性

  • プレッシャーをかわされた後、素早くラインが整うか?
  • ポジションチェンジが多いチームほど「repliegue」→「orden」へのスムーズな移行が必要

まとめ:「切り替えの選択」からもチームの特徴を見出す

攻撃から守備への切り替えにおける一連の流れ:

▶ 即時奪回 → 後退 → 整理

この局面を分析することで、他のプレーの局面(攻撃や守備)への理解が格段に深まります。

攻撃から守備への切り替えの局面は、チームのプレーの特徴を映し出す重要な分析対象の1つです。
「何を優先しているのか」「どこでプレッシャーをかけたいのか」
そうした隠れた意図を見抜くことで、サッカー理解はより深まります。

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