コベルトゥーラ(Cobertura)とは?守備の基本「カバー」を正しく理解しよう

サッカー指導

コベルトゥーラとは何か?

コベルトゥーラ(cobertura)とは、スペイン語で「カバー(cover)」を意味し、守備における基本的な戦術行動のひとつです。
日本でも「カバーリング」や「カバー」と呼ばれる動きに近く、味方選手が相手ボール保持者にアプローチをかけた(=サルタールした)際、その選手が空けたスペース別の選手が一時的に補う動きです。

ここで大事なのは、「何をカバーするのか?」という点です。
選手をカバーするのではなく、味方の空けたスペース(=リスク)をカバーするのが基本です。

なぜコベルトゥーラが必要なのか?

サルタール(saltar)とは、守備の選手がプレッシャーをかけに行くことを指しますが、これは同時に「自分のポジション(本来守るべきスペース)を一時的に捨てる」ことでもあります。

つまり、サルタール=リスクを生む行動です。

このとき、味方が何も考えずに立ち位置をそのままにしていると、「数的不利」や「ライン間のスペース」が生まれます。
それを防ぐために必要なのが、コベルトゥーラ=カバーというわけです。

具体的なカバーの例

まずは、わかりやすくするために「3人による1ライン」で考えていきます。

▶︎ 例1:横の関係性

これは、最も基本的なコベルトゥーラ(カバー)の形です。
ボールが外に移動したとき、相手選手に最も近い選手がプレッシャーをかけに行きます(=サルタール)。
このとき、サルタールした選手が空けたスペースが“リスク”となります。

では、どのようにこのリスクを管理するのか?
そのスペースにより近い選手が、それを補います。
これが、コベルトゥーラ(カバー)です。

黄色が守備。白が攻撃。

▶︎ 例2:縦の関係性

今度は、ボールが外から中へと移動した場面です。
相手の選手に最も近い選手(3人のうち中央の選手)がサルタールして前に出ます。
このときも、空けたスペースが“リスク”になります。

では、このスペースを誰がカバーするのか?
それは、スペースにより近い2人の選手です。つまり、この場合は左右の選手になります。
彼らは、そのスペースに向かって近づき、リスク管理=コベルトゥーラ(カバー)を行います。

黄色が守備。白が攻撃。

よくあるミスと注意点

● カバーが遅れると、スペースを突かれる

  • 味方のサルタールによって、どのスペースが空くのかを事前に認識しておくことが大切です。
  • 「リスクがどこに生まれるのか」を理解しておくことが、的確なコベルトゥーラにつながります。

● 2人が同時にサルタールしてしまう

  • 守備の役割分担におけるコミュニケーションと、事前の共通理解が不可欠です。
  • 「誰が行くのか・誰が残るのか」を瞬時に判断することが求められます。

まとめ:守備は「リスク管理」の連続

コベルトゥーラは、単なるポジションチェンジではありません。
(※ 守備におけるポジションチェンジは、別の用語【ペルムータ – permuta】で表現されます。)

コベルトゥーラ = リスクのカバー

ここで言うリスクとは、味方選手が空けたスペースのことです。

では、そのスペースはいつ生まれるのか?
→ それは、味方がプレッシャーをかけに行った時(=サルタール)です。

誰かが相手選手にプレッシャーをかけるとき、誰かがその選手のスペースを守る。
このリスク管理こそが、守備組織の安定に直結します。

ぜひ、日々のトレーニングや指導の中で、
何を」「誰が」「いつ」カバーするのかを
選手自身が理解し、判断できるように促していきましょう。

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