スペインと日本のカテゴリーの違い(「スペインのリアル:第5回」2025•9•4投稿)

スペインのリアル

サッカーの「カテゴリー」は国や文化によって形が異なります。今回は日本の「第1種〜第4種」と、スペインの「PrebenamínからProfesionalまで」を比較し、特に(1)カテゴリーの多さ(2)生まれ年に基づく全国統一という2点を強調して解説します。

日本のカテゴリー:部活動文化の影響

日本サッカー協会が定める区分は次の通りです。学校教育の区切りに合わせた分類が特徴で、部活動文化の影響が色濃く出ています。

区分対象
第1種一般・大学
第2種高校生
第3種中学生
第4種小学生

特徴:中学=第3種、高校=第2種のように、教育機関(学校)を基準にカテゴリーが分かれることが多く、学校単位のチーム編成が一般的です。

スペインのカテゴリー:生まれ年で全国統一

スペインはカテゴリーが非常に細かく設定されており、幼児期のPrebenjamínからプロのラ・リーガまで、一貫した仕組みがあります。重要なのは生まれ年でカテゴリーが決まる点で、地域や学校に関わらず同じ生まれ年の選手は同じカテゴリーに所属します。

育成年代の区分(2025-2026シーズンの目安)

カテゴリー年齢該当生まれ年
JuvenilU192007〜2009年生まれ
CadeteU162010・2011年生まれ
InfantilU142012・2013年生まれ
AlevínU122014・2015年生まれ
BenjamínU102016・2017年生まれ
PrebenjamínU82018・2019年生まれ

補足:Alevínの段階では7人制と11人制が併存します。一般的にAlevín1年目の選手は7人制、2年目は11人制へ移行し、自然に11人制の戦術理解を深められるよう設計されています。

プロ・セミプロからアマチュアまでの整理

スペインはトップリーグから地域リーグまで体系化されています(例:LaLiga → Segunda → Primera Federación → Segunda Federación → Tercera Federación → 地域リーグ)。これは選手のキャリアパスを明確にする構造です。

日本とスペインの主要な違い(まとめ)

  1. カテゴリーの細かさ:スペインはPrebenjamínから細かく分かれ、育成年代の区切りが多段階であるのに対し、日本は「小・中・高・一般」という大枠で整理されています。
  2. 生まれ年基準の全国統一:スペインは生まれ年で全国的にカテゴリーが統一されるため、同学年内での公平なマッチングや育成が行いやすくなっています。

最後に

日本は学校中心の部活動文化が育成の基盤となり、スペインはクラブ主体で年齢基準の細かなカテゴリーを通じて選手育成が進みます。どちらが正解というよりも、各国の文化や歴史が反映された結果です。しかし、スペインの「カテゴリーの細かさ」と「生まれ年での統一」は、育成の一貫性と公平性を高める点で参考になるポイントだと感じます。

第5回:「スペインのリアル」 — カテゴリー制度の違いを整理しました。今後の記事ではカテゴリーごとのリーグ構造について掘り下げます。

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