今年もいよいよ、スペイン3部リーグ(Primera RFEF)が8月29日土曜日から開幕します。続いて、4部(Segunda RFEF)と5部(Tercera RFEF)も9月6日土曜日からリーグ戦が始まります。
今回は、このタイミングに合わせて「スペインのリアル」として、下部リーグの構造やフィリアルチームの存在など、普段あまり注目されない部分を整理してみたいと思います。1部・2部はほぼ全世界で知られているため詳細は省き、3部〜5部に焦点を当てます。これから始まるシーズンを観戦したり、クラブや選手の動向を理解する際の参考にしていただければと思います。
スペインのリーグ構造の全体像
スペインのサッカーリーグは、1部(LaLiga EA Sports)、2部(LaLiga Hypermotion)、3部(Primera RFEF)、4部(Segunda RFEF)、5部(Tercera RFEF)の5つのカテゴリーに分かれています。各カテゴリーは、地域性やクラブの実力に応じて構成されており、昇格・降格制度を通じて競技レベルの向上が図られています。
3部リーグ(Primera RFEF)
- チーム数:40チーム(2グループ×20チーム)
- 構成:各グループは地理的な近接性を考慮して編成
- 昇格・降格:
- 上位チームは2部(LaLiga Hypermotion)へ昇格
- 下位チームは4部(Segunda RFEF)へ降格
フィリアルの例
レアル・マドリードB(RM Castilla)、アトレティコ・マドリードB、ベティスB、バレンシアBなどがあります。これらのチームは、トップチームの控えではなく、独立したチームとしてリーグ戦に参加しています。
4部リーグ(Segunda RFEF)
- チーム数:90チーム(5グループ×18チーム)
- 構成:各グループは地理的な近接性を考慮して編成
- 昇格・降格:
- 上位チームは3部(Primera RFEF)へ昇格
- 下位チームは5部(Tercera RFEF)へ降格
フィリアルの例
エルチェB、バレンシアBなどが参加しています。独立したチームとしてリーグ戦に参加しています。
5部リーグ(Tercera RFEF)
- チーム数:324チーム(18グループ×18チーム)
- 構成:各グループは地理的な近接性を考慮して編成
- 昇格・降格:
- 上位チームは4部(Segunda RFEF)へ昇格
- 下位チームは地域リーグへ降格
フィリアルの例
レガネスB、アルコルコンB、過去にはレアル・マドリードC、今年はアトレティコ・マドリードCなどがあります。独立したチームとして公式戦に参加しています。
私の所属するクラブの立ち位置
AD ALCORCON :AD アルコルコン
- トップチーム:Primera RFEF(3部リーグ)
- セカンドチーム:Tercera RFEF(5部リーグ)
- ユーストップ:Liga Nacional Juvenil
過去には、ラージョ・バジェカーノB(Segunda RFEF所属)でも活動していました。日本と比べると、下部リーグであっても指導者ライセンスや分析・スカウティング体制が整備されるなど、プロフェッショナルな部分が強いのが特徴です。
まとめ
スペインの3部〜5部リーグは、単なる「下部カテゴリー」ではなく、選手育成・クラブ戦略・地域密着の役割を持つ重要なリーグです。フィリアルチームや地域クラブが混在することで、選手は公式戦で経験を積み、クラブは有望な選手を管理することができます。日本と比べると、スペインは「プロとアマの間に幅広いステージが存在する」ことが特徴です。