自チーム分析② ― ゲームプランをもとに考える

サッカー指導

はじめに|ゲームプランは「戦う指針」であり、分析の軸になる

前々回の記事では、「自分たちのサッカー(プレーモデル)」をどのように整理・構築するかを考えました。
そして前回は視点を相手に向け、「相手のプレーモデル・傾向をどう読むか?」について触れました。

今回のテーマは、その2つの情報を掛け合わせた「ゲームプランの立案」と、それを軸とした「自チーム分析の方法」です。

ゲームプランとは?

試合に向けた「ゲームプラン」は、以下の2つをベースに構築されます:

  • 相手の特徴や傾向(=相手チーム分析)
  • 自分たちのプレーモデル(=自チームの強み)

この2つを照らし合わせることで、その試合に向けて「どう戦うか」を明確にする指針が生まれます。

つまり、ゲームプランとは:

相手に合わせた“具体的な”自チームのプレー方針

であり、そのプランを実行できたかどうかを振り返ることで、分析の視点はより明確かつ具体的になります。

ステップ①|相手の特徴を整理する

ゲームプランを立てる第一歩は、相手チームのプレーモデル・傾向を簡潔に整理することです。

例:

  • 攻撃:GKからのロングボール中心。9番の高さを活かしたセカンドボール回収型
  • 守備:1-5-3-2の低い位置でのブロック。中央を固め、ボール奪取後は素早くカウンターを狙う

ここでのポイント:
「分析のために情報を集める」のではなく、「ゲームプランに必要な情報」を選んで整理すること

ステップ②|ゲームプランの構築と準備

相手の特徴を踏まえ、自分たちのプレーモデルをどのように活かし、どこで優位性を作るのかを設計していきます。

守備のゲームプラン(例:1−4−4−2中盤でのブロック)

相手のロングボールに対して:

  • 競るのはサイドバックではなく、センターバックもしくは中盤の選手(理想は中盤)
  • 残りの選手はセカンドボールに備え、陣形をコンパクトに維持
  • 特に注意すべきは、前に出た選手の背後のスペース。相手はそこを狙ってくるため、優先的に管理すべきエリアとして設定する

攻撃のゲームプラン(例:コンビネーションプレー)

相手の中央ブロックに対して:

  • 中央突破に固執せず、サイドからのアタックを起点にする
  • クロス時にはペナルティエリア(PA)内に3人が入ることを意識(ニア・中央・ファー)
  • PA内のスペースを有効に使い、クロスの質とタイミングも含めて再現性のある攻撃を狙う

ステップ③|試合後の分析項目を設定する

ゲームプランに基づいて、「何を見るか」=分析項目を設定します。これにより、試合の評価が「具体的かつ目的のあるもの」になります。

守備に関する分析項目(例)

  • ロングボールに対して、空中戦で競れていたか?
  • 競った後のセカンドボールを拾えていたか?
  • セカンド対応時、選手間のBasculación(横スライド)は機能していたか?

攻撃に関する分析項目(例)

  • 相手の中央ブロックに対して、サイドからの攻撃をどれだけ活用できたか?
  • クロスの本数と質(成功数・タイミング・中に入った人数)はどうだったか?
  • PA内のスペースをどのように使えていたか?

ステップ④|分析から改善へ

これらの分析項目をもとに、「できていたこと」「できていなかったこと」をチーム全体で共有し、次のステップへつなげます。

例:

  • ✅ セカンドボールの回収率が高かった → 守備のスライドが機能していた証拠
  • ❌ クロス時のPA内の人数が不足 → トレーニングで再現性を高め、選手の習慣として定着させる

おわりに|分析には「軸」と「視点」が必要

ただ漠然と試合を振り返るのではなく、
事前に立てたゲームプランという“軸”を持って分析することが重要です。

このように、準備と分析をセットで行うことで、チームは一歩ずつ前進していきます。

次回予告|「試合中の分析」へ

次回は、「試合中の分析」がテーマです。
リアルタイムでの情報整理や、試合中にどう修正・対応するかといった実践的な視点を紹介していきます。

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