自チーム分析① ― プレーモデルをもとに考える

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はじめに|「分析」は目的を持たなければ意味がない

試合後やシーズン中、自分たちのチームを「分析する」という作業は、多くの指導者が行っています。
しかし、「何を基準に見ているのか?」「なぜそれが良い・悪いと判断されるのか?」を曖昧にしたままでは、それはただの“作業”に過ぎません。

この記事では、「プレーモデル」を軸に自チームをどう分析していくかをテーマに解説していきます。

前回の復習|プレーモデルから詳細設定まで

自チーム分析を行うには、まず前提となる「見るための基準」が必要です。その基準となるのが、以下の4つの階層です。

  • プレーモデル(全体の原則)
  • コンセプト(局面ごとの原則)
  • サブコンセプト(コンセプトを達成するための要素)
  • 詳細設定(具体的な個人・グループの動き)

これらが曖昧なままでは、「何が良かったか・悪かったか」も判断できません。
まずは、チームの軸となるプレーモデルが明確になっているか?を確認することが重要です。

1. 自チーム分析に必要な3つの基準

自チームを評価するためには、以下の3つの基準が必要です。

① プレーモデル・コンセプトなどの原則

チームとして「どのように戦うのか?」という設計図。この原則に基づいて、プレーの成否や質を評価していきます。

例:
ボールを保持しながらの前進(コンセプト)で、中盤で数的優位を作り、ボールを外→中→外と動かして前進したい(サブコンセプト)
そのために中盤の選手はサイドにボールがある時に適切な距離感で異なるパスコースを提供する(詳細設定)

→ 試合中、中盤で数的優位を作ることはできたが、サイドにボールがある際に前線のサイドに無理に蹴り込み、前進できずにボールロスト。
このような場合は BAD と評価される。

このように、基準がないと同じプレーでも評価がブレるため、明確な原則が不可欠です。

② トレーニングしてきた内容

選手たちは週を通じて「何を練習してきたのか?」その内容に対して、試合でどうだったかを見ることが重要です。
※そもそもトレーニング内容は、プレーモデルやコンセプトを土台に設計されているべきです。

③ ゲームプラン(②の一部)

試合ごとの具体的な戦い方。

例:「相手がダイレクトプレー主体のチームだから、セカンドボールを確実に拾おう」というプランを立てていたなら、それが試合で機能していたかを分析します。

2. 自チーム分析の具体的な手順

ステップ①:現象を把握する

まずは、試合中に起きた「現象」を観察します。
例:ビルドアップでボールを奪われた/相手のゴールキックの再開から自陣でまでの侵入を許した/カウンターが成功した など。

※分析ソフトの活用も効果的です。

ステップ②:各現象を「局面」に分類する

分析対象の現象が、試合のどの局面に該当するのかを明確にします。

  • 攻撃
  • 守備
  • トランジション(攻→守、守→攻)
  • セットプレー

ステップ③:「良い/悪い」の判断をする

現象に対して、ポジティブだったのか、ネガティブだったのかを評価します。
ここでも、評価の基準は プレーモデル/トレーニング/ゲームプランです。

ステップ④:「なぜそうなったのか」を考える

プレーが良かった/悪かった理由を深掘りしていきます。
ここで鍵になるのが、「サブコンセプト」や「詳細設定」です。

例:
中盤で数的優位を作る場面(サブコンセプト)で、1人の選手が埋めるべきスペース(詳細設定)に動かず、数的同数の対応になり、前進ができずボールロストに繋がった。

こうした“なぜ”を突き止めることで、次のトレーニングや修正指導に具体性が生まれます。

ステップ⑤:誰に・何を・どう伝えるかを明確にする

最後に、分析結果をどうチームに伝えるかを考えます。

  • 自信を持たせるために見せるのか?
  • 改善点を明確にするために伝えるのか?

目的のないまま映像や資料を見せても、選手は「で、何が言いたいの?」と感じて終わってしまいます。
「伝えたいことが明確にある」ことが、分析を有効なツールに変える鍵です。

おわりに|分析の本質は「次に活かす」こと

自チーム分析の目的は、単なるデータの収集や現象の記録ではありません。
「なぜそうなったのか?」を理解し、次にどうするかを明確にすること。

そしてその起点になるのが、プレーモデルを中心とした“見るための基準”です。


🔍 補足:プレーモデル分析チェックリストについて

※この記事で紹介した「プレーモデルを軸にした自チーム分析チェックリスト」の 【一部サンプル】は以下より無料でダウンロード可能です。
全体版・解説付きPDFはオンライン講座内または有料記事にて提供することを予定しています。

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