サッカー分析の出発点:配置とスペースの理解

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はじめに:分析の出発点は「配置とスペース」

サッカーの試合分析において、まず見るべきは選手の配置です。これはいわゆる「システム」や「フォーメーション」にもつながりますが、単なる形ではなく、各局面・各ゾーンにおける配置とそのスペースの意味を捉えることが重要です。

選手の配置は、状況に応じて変化します。その配置の静止状態と動きによって生まれるスペースを、この記事では以下のように分けて解説していきます。

静的スペースと動的スペースとは?

用語定義
静的スペースセットプレーなどのインプレー前の配置によって生まれるスペース。まだ動きが起こっていない状態。
動的スペース選手の動きによって変化した配置により生まれたスペース。プレー中の変化を含む。

静的スペースを見るタイミング

静的スペースは主にセットプレー時に確認します。例えば:

  • キックオフ時
  • ゴールキックからの再開
  • コーナーキック、フリーキックの準備段階

この段階では、以下のような観点から配置とスペースを確認します。

  • どこにスペースが空いているか?
  • 相手はどこを狙っているか?(または自チームはどこを活かしたいのか?)
  • スペースに対して、どのような動きが想定されるか?

これらは、分析や試合準備において「意図の読み取り」のベースになります。

動的スペースを見るタイミング

試合が始まり、選手が動き出すと、スペースは絶えず変化していきます。
この変化によって新たに生まれるスペースこそが「動的スペース」です。

例えば、以下の図を見てください。
左が静的スペース、右が動的スペースのイメージです。

左図が静的スペース。右図が動的スペース。

GKがボールを保持している状況で、相手が前線からプレッシャーをかけてきたとします。
このとき、味方や相手の動きによってスペースが変化していきます。
この新たに生まれたスペースこそが、動的スペースです。

そして、そのスペースを誰が・どのように使うかによって、チームの特徴やプレーモデルが表れます。

たとえば、上図のように、
相手の最終ラインと中盤(アンカー:pivote)の間に空いたスペースがあったとします。
このとき:

  • ウイング(Extremo)が内側にポジションを取り、パスコースを作るのか?
  • フォワード(Delantero)がそのスペースに下りてボールを受けるのか?
  • あるいは、そのスペース付近にロングボールを入れ、セカンドボールを拾って前進を狙うのか?

このように、どんな選択肢がとられているのかを読み解くことが、分析のプロセスとなります。

ポイントは3つです:

  • どのような動きがスペースの変化を生んだのか?
  • そのスペースを誰が・どう活かそうとしているか?
  • ★その意図には再現性があるのか?

分析の実践:局面とゾーンから見る

スペース分析は、試合の局面(攻撃・守備・切り替え)ゾーン(ピッチのエリア分類)に分けて見ると整理しやすくなります。

例:攻撃時/ゾーン1(ビルドアップ)

  • GKまたはCBがボールを保持している場面
  • 他の選手の配置はどうか?
  • 静的スペースを把握する(これが動的スペースを見る基準となる)
  • そこからどんな動きが起こり、どんなスペースが生まれるか?(動的スペース)

最後に確認すべきは、

「なぜそのスペースが生まれたのか?」

この問いに答えることで、分析に「根拠」が生まれます。 それは、選手やスタッフに説得力を持たせる武器になります。

まとめ:配置とスペースの関係を読み解く

サッカー分析の精度を高めるためには、「ただ起きた現象」ではなく、なぜそれが起きたのかを捉える必要があります。

選手の配置とスペースの変化に注目し、局面・ゾーンごとにその意味を丁寧に読み解くこと。それが、質の高い分析の第一歩です。

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