はじめに|切り替えの局面からチームの特徴が見える
サッカーのプレー・試合を分析する上で大事なことが4+1の局面を理解することです。
今回は、この中の守備から攻撃への切り替えについて話していきます。
この局面でチームがどのような選択をするか──すぐにゴールを目指すのか、ボール保持を優先するのか──は、チームのプレーモデルや特徴を知るうえで非常に重要なポイントです。
本記事では、守備から攻撃への切り替えにおける主な2つのアプローチ、カウンターアタックと安全なパスによるボール保持について整理し、それぞれの特徴や分析の視点を紹介していきます。
カウンターアタック|ボール奪取から一気にゴールを目指す
カウンターアタックとは、ボールを奪った直後にできるだけ素早く相手ゴールを目指す考え方です。
相手が攻撃中に守備バランスを崩している状態を突くことで、大きなチャンスを生み出せる場合があります。
▶️ カウンターアタックが効果的な場面の例
- ボール奪取時に前方にスペースがある
- 奪った選手や近くの選手が前向きの体勢でいる
- 前線に走り出す選手がいる
- 相手の守備ブロックが整っていない
安全なパス|ボール保持を優先し、攻撃を準備する
一方で、ボールを奪ったからといって、必ずしもすぐに前進するとは限りません。
あえて安全なパス(横パスや後方へのパス)を使い、一度ボールを落ち着かせることで攻撃の形を整えるアプローチもあります。
これをスペイン語では、マンテニミエント(manenimiento)やポゼッション(posesión)という言葉で表すことがあります。ここでは、安全なパス(パセ・デ・セグリダ – pase de seguridad)と表現します。
▶️ ボール保持が効果的な場面の例
- 相手がすぐに守備陣形を整えている
- 得点を急ぐ必要がない状況(リード時、残り時間が少ないなど)
分析の視点|チームの傾向をどう見極めるか?
試合を分析する際、この切り替えの局面での判断を観察することで、そのチームの特徴が見えてきます。
🕵️ 分析ポイント 1:時間帯とスコア状況を無視した傾向
- ビハインド時や試合の序盤、リード時といった条件を無視して、試合全体を通してどちらのプレーを優先しているのか、またその意図を探る。
🕵️ 分析ポイント 2:選手の動きとチームの反応
- この局面、この瞬間のキープレーヤーを探す。
- 例えば、前線やサイドに足の速い選手がいれば、相手がこの局面において「カウンターアタック」を選択している1つの要因として考えられる。
- 大事なことは、分析に根拠を持たせること。分析ポイント①でも、実際にボールを奪ったときにどちらのプレーを選択しているのかという数と割合を考えてみるのもいいかもしれません。
🕵️ 分析ポイント 3:ボール奪取位置
- チームによっては、守備から攻撃への切り替えが起こるゾーンによって、プレーの選択を変える場合もあります。
- どのゾーンで、どのプレーを選択する傾向があるのか、またそれはなぜなのか(選手の特徴などを踏まえる)、これらのことを考える必要があります。
🕵️ 分析ポイント 4:整合性をつける
- サッカーとは、プレーの局面が連続的に途切れることなく続くスポーツです。
- 守備から攻撃への切り替えの特徴に目処が立ったとき、もう一度今度はそのチームの守備の局面に目を向けてみましょう。
- 例えば、足が速く裏への抜け出しが上手い選手がいるからボールを奪ったときにできるだけ、前方にスペースが欲しい、だから守備の場面では高い位置でのブロックではなく、中盤もしくは低い位置で守備ブロックを形成している、とこのように考えることができます。
おわりに|「切り替えの選択」からもチームの特徴を見出す
守備から攻撃への切り替えの場面で、「即座にゴールを目指すのか」「ボール保持を優先するのか」は、そのチームの方針・特徴を表すサッカーのプレーの局面の1つです。
この局面を分析することで、他のプレーの局面(攻撃や守備)への理解が格段に深まります。


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