はじめに:攻撃の局面をどう分析するか?
チーム分析において、まず押さえておきたいのが「どんなタイプの攻撃をしているのか」という全体像です。
そのためには、プレーの局面ごとに分類し、特徴を捉える視点が必要です。
今回は「攻撃の局面」に着目し、代表的な3つのプレー分類について解説していきます。
攻撃は3つに分類できる
攻撃の局面において、プレーは大きく以下の3種類に分類できます:
- ① コンビネーションプレー:ボール保持をしながら前進を目指す
- ② ダイレクトプレー:縦方向に素早く進む、直接的な攻撃。
- ③ ミックスプレー:状況に応じて①②を使い分ける柔軟なスタイル
① コンビネーションプレーの特徴
- パスの本数が多い
- ボールを横に動かす展開が多い
- 選手の配置がピッチ全体に均等に広がる
このプレーは、相手の守備をじっくりと崩すことが傾向があります。
② ダイレクトプレーの特徴
- ロングボールを多用する
- ワンプレーあたりのパス本数が少ない
- 選手の配置に偏りがあり、攻撃ポイントに人を集中させる。
守備のリスク回避にもつながり、自陣でのボールロストを避けることができるメリットもあります。
③ ミックスプレーの特徴と使い分け
ミックスプレーは、上記2つのプレーを1試合の中で意図的に使い分ける戦術的なスタイルです。例えば:
- 相手が前から強くプレッシャーをかけてくるとき → ダイレクトプレーで回避
- 相手が引いて守っているとき → コンビネーションプレーで崩す
また、ミックスプレーの中にも「コンビネーション寄り」「ダイレクト寄り」といった傾向があります。
つまり、どちらの比重を高くしているかを見極めることも分析のポイントです。
スペイン=コンビネーション?実はダイレクトも多い
日本では「スペインサッカー=ショートパス中心のコンビネーション型」というイメージが根強いかもしれません。
しかし実際の現場では、スペインでも状況に応じてダイレクトプレーが多く使われています。
重要なのは「どちらを使っているか」ではなく、
「なぜそのプレーを選択しているのか」「どのように使っているのか」という視点です。
ミックスプレーであれば、「どんな基準で使い分けているのか」を見極めることが、深い分析につながります。
まとめ:攻撃の分類を知ることで、チームの傾向が見えてくる
試合分析において、攻撃の局面をどう捉えるかは非常に重要です。
・ボールを丁寧につなぐタイプなのか?
・縦に速く攻める傾向があるのか?
・それを状況に応じて使い分けているのか?
こうした視点を持つことで、相手チームの「狙い」や「課題」が見えてきます。
誰かに「このチームはどんなチーム?」と聞かれたときに、スッと答えられるような視点とイメージを持つことが、分析者としての第一歩です。
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