スペインで6シーズン指導してわかった、サッカー指導者として本当に大切な3つのこと

サッカー指導

「選手の理解を深める指導とは?」「チーム内で意見交換できる関係性とは?」
スペインでの6年間の指導経験を通して、私が大きく影響を受けた価値観があります。

特別なトレーニングや理論というよりも、“日常の指導の積み重ね”や、“人との関わり方”にこそ、スペインの育成文化の本質があると感じました。

この記事では、私が現地で体感した「指導者として大切だと感じたこと」を3つにまとめてご紹介します。


1. 誰からでも学ぶ姿勢

スペインの指導現場でまず驚かされたのは、上下関係にとらわれない自由な意見交換の文化です。

監督やコーチの立場に関係なく、積極的に意見を交わし合い、
「なぜこうしたのか?」「こういう方法もあるかもしれない」といった議論が頻繁に行われます。

これにより、自分の指導にも客観性が生まれ、指導者自身も常に学び続ける姿勢が求められます。

「自分が正しい」ではなく「共に正しさを探す」という文化が、選手との信頼関係や現場の成長を支えていると感じました。


2. 選手がプレーを理解するために“サッカーを教える”

スペインではトレーニング中に「理解させる指導」が非常に重視されます。

ただプレーを繰り返すのではなく、選手自身が「なぜそう動くのか」「どんな選択肢があるのか」を理解できるよう、基本的な原則・ポジションの役割・状況判断の基準が一つ一つ丁寧に教えられます。

これにより、選手は「監督の指示を待つ」のではなく、自ら考えてプレーを選択することができるようになります。

指導者の役割は、選手の思考を育てる“ガイド”であるという姿勢が、常に現場に根付いていました。


3. 勝利と育成の両立

スペインでは、各チームに選手登録人数の制限があります。
そのため、1シーズンを通じて限られた人数でリーグ戦を戦うというのが基本です。

これにより、選手一人ひとりが継続的にプレー時間を確保しやすくなり、
同時に試合結果も求められるため、「育成」と「競争」のバランスが自然と取れる仕組みになっています。

選手にとっては、「試合に出られる機会」と「競争のプレッシャー」が両立された理想的な環境です。

この構造を知ったとき、「制度設計そのものが育成文化を支えている」と実感しました。


まとめ:指導者としての問いかけ

私自身、この6年間で何よりも学んだのは、指導者自身が学び続けることの大切さです。

・自分の指導は、選手の思考を育てているか?
・自分の指導は、選手の将来にどう影響を与えるのか?
・自分自身は、他者から学ぶ姿勢を持ち続けているか?

こういった問いを常に心に持ちながら、これからも学びと実践を続けていきたいと思います。


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