今回の記事は、「サッカー指導者に興味のある学生」もしくは「将来サッカー指導者を目指している学生」と「現在現場でメインコーチや第一監督をしている人」に向けた内容です。
この記事を読むと日本サッカーの指導現場における人手不足とその解決法を知ることができます。
私は、日本のサッカー専門学校を卒業した後、スペインのマドリッドで5年以上サッカー指導者として活動しています。
スペイン現地のサッカー指導者ライセンスを保持し、プロクラブでの指導経験もあります。
そんな私が、日本サッカーの指導現場について話します。
日本のサッカー現場では指導者が不足している⁈
私は日本に帰国する度に、ご縁もあり、いくつかのチームを訪問します。
この時いつも目にすることは、30人以上の選手をたった一人の指導者だけで見ている光景です。
チームを指導する上で、最低限とも言えるのが、1チーム25人以下の選手に対して、2人以上のサッカー指導者がいることです。
この理由は、全ての選手に対して指導者の目が行き届き、チーム全体を適切に指導することが大事だからです。
例えば、怪我人が出た時。
指導者1人の場合、メインコーチ(第一監督)が、怪我人の対応に追われた時、チームの指導をする人がいません。
例えば、2グループに分かれて指導する時。
指導者1人の場合、1つのグループは選手たちのみで練習することになります。
たった1人の指導者が多くの選手を抱える時に、これらのことがよく起こります。
30人、もっと言えば20人を超える選手を1人のサッカー指導者だけで見る現場は、指導者不足と言えます。
指導者不足を救うのは学生コーチ
この問題の解決策としてここで提案することは、「学生コーチの導入」です。
そもそも、この「指導者不足」の原因はなんだと考えられるのでしょうか?
私は、次のように考えました。
お金と時間。
残念なことに、サッカー指導者という職業は、それだけで生活するための充分な給料をもらえる仕事ではありません。
多くのサッカー指導者が、チームの指導以外に異なる仕事をしていることがほとんどです。
このような現状から、チームの活動時間への対価が少ないということを理由にサッカーから離れていく人が多くいます。
しかし、それでもサッカーの指導現場をよくするためには、指導者の数が必要です。
そこで提案することが「学生コーチの導入」です。
家族を持つ人、経済的に自立する必要のある年齢の人をサッカーの指導現場に呼ぶことは、なかなか難しいでしょう。
しかし、学生であればこれらの人たちと比べると経済的な心配は少ないと言えるでしょう。
いくつか注意しなければいけないことはありますが、学生コーチの導入には大きなメリットがあると考えます。
学生コーチは指導者街道の第一歩
学生コーチの仕事は主に、メインコーチ(第一監督)のサポートです。
メインコーチの下で、指導者としての働き方を学ぶことができます。
まずは、メインコーチの下で指導者としての基礎や概要を学ぶことが、サッカー指導者としての第一歩になります。
実際、私もアシスタントコーチから始め、多くのことを学び今に至ります。
この第一歩が早ければ早いほど、多くの経験を積むことができ、指導者としての成長につながります。
「選手活動を終えてからではなく、今から始めよう!」
是非とも早いうちからサッカー指導者の世界に飛び込んでみてください!
おまけ:スペインには学生コーチが多い
実際、スペインには多くの学生コーチがいます。
私の所属するクラブは特に指導者の育成にも力を入れているので、クラブに在籍する選手が積極的にサッカー指導者として活動することができています。
例えば、U19の選手がU14のチームでアシスタントコーチをしたり、大人のセカンドチームの選手がU8のチームの監督をやったりすることもあります。
ただし、第一監督になるためには、指導者ライセンスが必要なことと、サッカー指導者としての経験が必要です。
この経験というのが、学生コーチとしてのアシスタントコーチ期間です。
*ただし、同年代のアシスタントコーチになることはありません。必ずその選手より年代が下のチームで活動することになります。
まとめ
サッカー指導の現場をより良くすることを考えた時、一人一人の指導者の質を高めることはもちろんのこと、指導者の数を増やすことも大事です。
一人のサッカー指導者が多くの選手をたった1人で見るのではなく、大体18人〜25人程度の選手を2人以上の指導者で見るようにしましょう。
第一監督としてチームを率いたりすることは難しくても、「学生コーチ」であれば、チームの大きな助けになることは間違いありません。
学生コーチはサッカー指導者としての経験を積め、第一監督(メインコーチ)は充分な指導をチーム全体にすることができます。
学生は、「指導者の勉強は選手やめてからにしよう」ではなく、「できるだけ早く始めよう!」と考えてみてください。
既に、サッカー指導者としてチームを率いている人は、「自分の能力を高めよう」と考えるとともに「チーム全体を適切に指導するための環境を整えよう」と考えてみてください。
フットボールチャットでは、サッカー指導者がサッカーについて学べる環境を提供します。
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